10:6ハムの子孫はクシ、ミツライム、プテ、カナンであった。
10:7クシの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラアマ、サブテカであり、ラアマの子孫はシバとデダンであった。
10:8クシの子はニムロデであって、このニムロデは世の権力者となった最初の人である。
10:9彼は主の前に力ある狩猟者であった。これから「主の前に力ある狩猟者ニムロデのごとし」ということわざが起った。
10:10彼の国は最初シナルの地にあるバベル、エレク、アカデ、カルネであった。
10:11彼はその地からアッスリヤに出て、ニネベ、レホボテイリ、カラ、
10:12およびニネベとカラとの間にある大いなる町レセンを建てた。
10:13ミツライムからルデ族、アナミ族、レハビ族、ナフト族、
10:14パテロス族、カスル族、カフトリ族が出た。カフトリ族からペリシテ族が出た。
10:15カナンからその長子シドンが出て、またヘテが出た。
10:16その他エブスびと、アモリびと、ギルガシびと、
10:17ヒビびと、アルキびと、セニびと、
10:18アルワデびと、ゼマリびと、ハマテびとが出た。後になってカナンびとの氏族がひろがった。
10:19カナンびとの境はシドンからゲラルを経てガザに至り、ソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイムを経て、レシャに及んだ。
10:20これらはハムの子孫であって、その氏族とその言語とにしたがって、その土地と、その国々にいた。
10:21セムにも子が生れた。セムはエベルのすべての子孫の先祖であって、ヤペテの兄であった。
10:22セムの子孫はエラム、アシュル、アルパクサデ、ルデ、アラムであった。
10:23アラムの子孫はウヅ、ホル、ゲテル、マシであった。
10:24アルパクサデの子はシラ、シラの子はエベルである。
10:25エベルにふたりの子が生れた。そのひとりの名をペレグといった。これは彼の代に地の民が分れたからである。その弟の名をヨクタンといった。
10:26ヨクタンにアルモダデ、シャレフ、ハザルマウテ、エラ、
10:27ハドラム、ウザル、デクラ、
10:28オバル、アビマエル、シバ、
10:29オフル、ハビラ、ヨバブが生れた。これらは皆ヨクタンの子であった。
10:30彼らが住んだ所はメシャから東の山地セパルに及んだ。
10:31これらはセムの子孫であって、その氏族とその言語とにしたがって、その土地と、その国々にいた。
10:32これらはノアの子らの氏族であって、血統にしたがって国々に住んでいたが、洪水の後、これらから地上の諸国民が分れたのである。
11:1全地は同じ発音、同じ言葉であった。
11:2時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ。
11:3彼らは互に言った、「さあ、れんがを造って、よく焼こう」。こうして彼らは石の代りに、れんがを得、しっくいの代りに、アスファルトを得た。
11:4彼らはまた言った、「さあ、町と塔とを建てて、その頂を天に届かせよう。そしてわれわれは名を上げて、全地のおもてに散るのを免れよう」。
11:5時に主は下って、人の子たちの建てる町と塔とを見て、
11:6言われた、「民は一つで、みな同じ言葉である。彼らはすでにこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。
11:7さあ、われわれは下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」。
11:8こうして主が彼らをそこから全地のおもてに散らされたので、彼らは町を建てるのをやめた。
11:9これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。
11:10セムの系図は次のとおりである。セムは百歳になって洪水の二年の後にアルパクサデを生んだ。
11:11セムはアルパクサデを生んで後、五百年生きて、男子と女子を生んだ。
11:12アルパクサデは三十五歳になってシラを生んだ。
11:13アルパクサデはシラを生んで後、四百三年生きて、男子と女子を生んだ。
11:14シラは三十歳になってエベルを生んだ。
11:15シラはエベルを生んで後、四百三年生きて、男子と女子を生んだ。
11:16エベルは三十四歳になってペレグを生んだ。
11:17エベルはペレグを生んで後、四百三十年生きて、男子と女子を生んだ。
11:18ペレグは三十歳になってリウを生んだ。
11:19ペレグはリウを生んで後、二百九年生きて、男子と女子を生んだ。
11:20リウは三十二歳になってセルグを生んだ。
11:21リウはセルグを生んで後、二百七年生きて、男子と女子を生んだ。
11:22セルグは三十歳になってナホルを生んだ。
11:23セルグはナホルを生んで後、二百年生きて、男子と女子を生んだ。
11:24ナホルは二十九歳になってテラを生んだ。
11:25ナホルはテラを生んで後、百十九年生きて、男子と女子を生んだ。
11:26テラは七十歳になってアブラム、ナホルおよびハランを生んだ。
11:27テラの系図は次のとおりである。テラはアブラム、ナホルおよびハランを生み、ハランはロトを生んだ。
11:28ハランは父テラにさきだって、その生れた地、カルデヤのウルで死んだ。
11:29アブラムとナホルは妻をめとった。アブラムの妻の名はサライといい、ナホルの妻の名はミルカといってハランの娘である。ハランはミルカの父、またイスカの父である。
11:30サライはうまずめで、子がなかった。
11:31テラはその子アブラムと、ハランの子である孫ロトと、子アブラムの妻である嫁サライとを連れて、カナンの地へ行こうとカルデヤのウルを出たが、ハランに着いてそこに住んだ。
11:32テラの年は二百五歳であった。テラはハランで死んだ。
12:1時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。
12:2わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
12:3あなたを祝福する者をわたしは祝福し、
あなたをのろう者をわたしはのろう。
地のすべてのやからは、
あなたによって祝福される」。
12:4アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。
12:5アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。
12:6アブラムはその地を通ってシケムの所、モレのテレビンの木のもとに着いた。そのころカナンびとがその地にいた。
12:7時に主はアブラムに現れて言われた、「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」。アブラムは彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。
12:8彼はそこからベテルの東の山に移って天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。そこに彼は主のために祭壇を築いて、主の名を呼んだ。
12:9アブラムはなお進んでネゲブに移った。
12:10さて、その地にききんがあったのでアブラムはエジプトに寄留しようと、そこに下った。ききんがその地に激しかったからである。
12:11エジプトにはいろうとして、そこに近づいたとき、彼は妻サライに言った、「わたしはあなたが美しい女であるのを知っています。
12:12それでエジプトびとがあなたを見る時、これは彼の妻であると言ってわたしを殺し、あなたを生かしておくでしょう。
12:13どうかあなたは、わたしの妹だと言ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事であり、わたしの命はあなたによって助かるでしょう」。
12:14アブラムがエジプトにはいった時エジプトびとはこの女を見て、たいそう美しい人であるとし、
12:15またパロの高官たちも彼女を見てパロの前でほめたので、女はパロの家に召し入れられた。
12:16パロは彼女のゆえにアブラムを厚くもてなしたので、アブラムは多くの羊、牛、雌雄のろば、男女の奴隷および、らくだを得た。
12:17ところで主はアブラムの妻サライのゆえに、激しい疫病をパロとその家に下された。12:18パロはアブラムを召し寄せて言った、「あなたはわたしになんという事をしたのですか。なぜ彼女が妻であるのをわたしに告げなかったのですか。12:19あなたはなぜ、彼女はわたしの妹ですと言ったのですか。わたしは彼女を妻にしようとしていました。さあ、あなたの妻はここにいます。連れて行ってください」。12:20パロは彼の事について人々に命じ、彼とその妻およびそのすべての持ち物を送り去らせた。