創世記10-12 ; マタイ4

創世記

第10章

10:1ノアの子セム、ハム、ヤペテの系図は次のとおりである。洪水の後、彼らに子が生れた。10:2ヤペテの子孫はゴメル、マゴグ、マダイ、ヤワン、トバル、メセク、テラスであった。  10:3ゴメルの子孫はアシケナズ、リパテ、トガルマ。10:4ヤワンの子孫はエリシャ、タルシシ、キッテム、ドダニムであった。10:5これらから海沿いの地の国民が分れて、おのおのその土地におり、その言語にしたがい、その氏族にしたがって、その国々に住んだ。
10:6ハムの子孫はクシ、ミツライム、プテ、カナンであった。10:7クシの子孫はセバ、ハビラ、サブタ、ラアマ、サブテカであり、ラアマの子孫はシバとデダンであった。10:8クシの子はニムロデであって、このニムロデは世の権力者となった最初の人である。10:9彼は主の前に力ある狩猟者であった。これから「主の前に力ある狩猟者ニムロデのごとし」ということわざが起った。10:10彼の国は最初シナルの地にあるバベル、エレク、アカデ、カルネであった。10:11彼はその地からアッスリヤに出て、ニネベ、レホボテイリ、カラ、10:12およびニネベとカラとの間にある大いなる町レセンを建てた。10:13ミツライムからルデ族、アナミ族、レハビ族、ナフト族、10:14パテロス族、カスル族、カフトリ族が出た。カフトリ族からペリシテ族が出た。
10:15カナンからその長子シドンが出て、またヘテが出た。10:16その他エブスびと、アモリびと、ギルガシびと、10:17ヒビびと、アルキびと、セニびと、10:18アルワデびと、ゼマリびと、ハマテびとが出た。後になってカナンびとの氏族がひろがった。10:19カナンびとの境はシドンからゲラルを経てガザに至り、ソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイムを経て、レシャに及んだ。10:20これらはハムの子孫であって、その氏族とその言語とにしたがって、その土地と、その国々にいた。
10:21セムにも子が生れた。セムはエベルのすべての子孫の先祖であって、ヤペテの兄であった。10:22セムの子孫はエラム、アシュル、アルパクサデ、ルデ、アラムであった。10:23アラムの子孫はウヅ、ホル、ゲテル、マシであった。10:24アルパクサデの子はシラ、シラの子はエベルである。10:25エベルにふたりの子が生れた。そのひとりの名をペレグといった。これは彼の代に地の民が分れたからである。その弟の名をヨクタンといった。10:26ヨクタンにアルモダデ、シャレフ、ハザルマウテ、エラ、10:27ハドラム、ウザル、デクラ、10:28オバル、アビマエル、シバ、10:29オフル、ハビラ、ヨバブが生れた。これらは皆ヨクタンの子であった。10:30彼らが住んだ所はメシャから東の山地セパルに及んだ。10:31これらはセムの子孫であって、その氏族とその言語とにしたがって、その土地と、その国々にいた。
10:32これらはノアの子らの氏族であって、血統にしたがって国々に住んでいたが、洪水の後、これらから地上の諸国民が分れたのである。

第11章

11:1全地は同じ発音、同じ言葉であった。11:2時に人々は東に移り、シナルの地に平野を得て、そこに住んだ。11:3彼らは互に言った、「さあ、れんがを造って、よく焼こう」。こうして彼らは石の代りに、れんがを得、しっくいの代りに、アスファルトを得た。11:4彼らはまた言った、「さあ、町と塔とを建てて、その頂を天に届かせよう。そしてわれわれは名を上げて、全地のおもてに散るのを免れよう」。11:5時に主は下って、人の子たちの建てる町と塔とを見て、11:6言われた、「民は一つで、みな同じ言葉である。彼らはすでにこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。11:7さあ、われわれは下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」。11:8こうして主が彼らをそこから全地のおもてに散らされたので、彼らは町を建てるのをやめた。11:9これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。
11:10セムの系図は次のとおりである。セムは百歳になって洪水の二年の後にアルパクサデを生んだ。11:11セムはアルパクサデを生んで後、五百年生きて、男子と女子を生んだ。
11:12アルパクサデは三十五歳になってシラを生んだ。11:13アルパクサデはシラを生んで後、四百三年生きて、男子と女子を生んだ。
11:14シラは三十歳になってエベルを生んだ。11:15シラはエベルを生んで後、四百三年生きて、男子と女子を生んだ。
11:16エベルは三十四歳になってペレグを生んだ。11:17エベルはペレグを生んで後、四百三十年生きて、男子と女子を生んだ。
11:18ペレグは三十歳になってリウを生んだ。11:19ペレグはリウを生んで後、二百九年生きて、男子と女子を生んだ。
11:20リウは三十二歳になってセルグを生んだ。11:21リウはセルグを生んで後、二百七年生きて、男子と女子を生んだ。
11:22セルグは三十歳になってナホルを生んだ。11:23セルグはナホルを生んで後、二百年生きて、男子と女子を生んだ。
11:24ナホルは二十九歳になってテラを生んだ。11:25ナホルはテラを生んで後、百十九年生きて、男子と女子を生んだ。
11:26テラは七十歳になってアブラム、ナホルおよびハランを生んだ。
11:27テラの系図は次のとおりである。テラはアブラム、ナホルおよびハランを生み、ハランはロトを生んだ。11:28ハランは父テラにさきだって、その生れた地、カルデヤのウルで死んだ。11:29アブラムとナホルは妻をめとった。アブラムの妻の名はサライといい、ナホルの妻の名はミルカといってハランの娘である。ハランはミルカの父、またイスカの父である。11:30サライはうまずめで、子がなかった。
11:31テラはその子アブラムと、ハランの子である孫ロトと、子アブラムの妻である嫁サライとを連れて、カナンの地へ行こうとカルデヤのウルを出たが、ハランに着いてそこに住んだ。11:32テラの年は二百五歳であった。テラはハランで死んだ。

第12章

12:1時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。12:2わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
12:3あなたを祝福する者をわたしは祝福し、
あなたをのろう者をわたしはのろう。
地のすべてのやからは、
あなたによって祝福される」。
12:4アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。12:5アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。12:6アブラムはその地を通ってシケムの所、モレのテレビンの木のもとに着いた。そのころカナンびとがその地にいた。12:7時に主はアブラムに現れて言われた、「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」。アブラムは彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。12:8彼はそこからベテルの東の山に移って天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。そこに彼は主のために祭壇を築いて、主の名を呼んだ。12:9アブラムはなお進んでネゲブに移った。
12:10さて、その地にききんがあったのでアブラムはエジプトに寄留しようと、そこに下った。ききんがその地に激しかったからである。12:11エジプトにはいろうとして、そこに近づいたとき、彼は妻サライに言った、「わたしはあなたが美しい女であるのを知っています。12:12それでエジプトびとがあなたを見る時、これは彼の妻であると言ってわたしを殺し、あなたを生かしておくでしょう。12:13どうかあなたは、わたしの妹だと言ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事であり、わたしの命はあなたによって助かるでしょう」。12:14アブラムがエジプトにはいった時エジプトびとはこの女を見て、たいそう美しい人であるとし、12:15またパロの高官たちも彼女を見てパロの前でほめたので、女はパロの家に召し入れられた。12:16パロは彼女のゆえにアブラムを厚くもてなしたので、アブラムは多くの羊、牛、雌雄のろば、男女の奴隷および、らくだを得た。
12:17ところで主はアブラムの妻サライのゆえに、激しい疫病をパロとその家に下された。12:18パロはアブラムを召し寄せて言った、「あなたはわたしになんという事をしたのですか。なぜ彼女が妻であるのをわたしに告げなかったのですか。12:19あなたはなぜ、彼女はわたしの妹ですと言ったのですか。わたしは彼女を妻にしようとしていました。さあ、あなたの妻はここにいます。連れて行ってください」。12:20パロは彼の事について人々に命じ、彼とその妻およびそのすべての持ち物を送り去らせた。


マタイ

第4章

4:1さて、イエスは御霊によって荒野に導かれた。悪魔に試みられるためである。4:2そして、四十日四十夜、断食をし、そののち空腹になられた。4:3すると試みる者がきて言った、「もしあなたが神の子であるなら、これらの石がパンになるように命じてごらんなさい」。4:4イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではなく、神の口から出る一つ一つの言で生きるものである』と書いてある」。4:5それから悪魔は、イエスを聖なる都に連れて行き、宮の頂上に立たせて4:6言った、「もしあなたが神の子であるなら、下へ飛びおりてごらんなさい。
『神はあなたのために御使たちにお命じになると、
あなたの足が石に打ちつけられないように、
彼らはあなたを手でささえるであろう』
と書いてありますから」。4:7イエスは彼に言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』とまた書いてある」。4:8次に悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華とを見せて4:9言った、「もしあなたが、ひれ伏してわたしを拝むなら、これらのものを皆あなたにあげましょう」。4:10するとイエスは彼に言われた、「サタンよ、退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。4:11そこで、悪魔はイエスを離れ去り、そして、御使たちがみもとにきて仕えた。
4:12さて、イエスはヨハネが捕えられたと聞いて、ガリラヤへ退かれた。4:13そしてナザレを去り、ゼブルンとナフタリとの地方にある海べの町カペナウムに行って住まわれた。4:14これは預言者イザヤによって言われた言が、成就するためである。
4:15「ゼブルンの地、ナフタリの地、
海に沿う地方、ヨルダンの向こうの地、
異邦人のガリラヤ、
4:16暗黒の中に住んでいる民は大いなる光を見、
死の地、死の陰に住んでいる人々に、光がのぼった」。
4:17この時からイエスは教を宣べはじめて言われた、「悔い改めよ、天国は近づいた」。
4:18さて、イエスがガリラヤの海べを歩いておられると、ふたりの兄弟、すなわち、ペテロと呼ばれたシモンとその兄弟アンデレとが、海に網を打っているのをごらんになった。彼らは漁師であった。4:19イエスは彼らに言われた、「わたしについてきなさい。あなたがたを、人間をとる漁師にしてあげよう」。4:20すると、彼らはすぐに網を捨てて、イエスに従った。4:21そこから進んで行かれると、ほかのふたりの兄弟、すなわち、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネとが、父ゼベダイと一緒に、舟の中で網を繕っているのをごらんになった。そこで彼らをお招きになると、4:22すぐ舟と父とをおいて、イエスに従って行った。
4:23イエスはガリラヤの全地を巡り歩いて、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいをおいやしになった。4:24そこで、その評判はシリヤ全地にひろまり、人々があらゆる病にかかっている者、すなわち、いろいろの病気と苦しみとに悩んでいる者、悪霊につかれている者、てんかん、中風の者などをイエスのところに連れてきたので、これらの人々をおいやしになった。4:25こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ及びヨルダンの向こうから、おびただしい群衆がきてイエスに従った。


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